ORB(Oriented FAST and Rotated BRIEF)
ORBによる特徴量検出方法は、BRIEFと同じくバイナリコードを用いた高速な特徴点検出が可能であり、BRIEFにはない回転不変性を導入したものである。
ORBは、BRIEFと同じく画像を多段階に縮小したピラミッド画像に対してFASTによる特徴点検出方法を用いており、スケール不変性をもつ。ただし、オリエンテーションの算出がBRIEFとは異なる。(BRIEFでは規則的にならんだ画素値の長距離ペアの勾配からオリエンテーションを求めていた)
ORBではオリエンテーション方向を、特徴点を中心としたパッチ内の輝度のモーメントを算出し、パッチの輝度重心の方向ベクトルとして求めている。この方法を「Oriented FAST」呼ぶ。求めたオリエンテーションにしたがって輝度値を規格化することにより、ORBは回転不変性を得ている。
ORBでは、パッチ内の観測点をランダムに決めるBRIEFと同じ方法を採用するが、さらに高精度なマッチングを行うために、学習を用いてパッチ内の観測点を決定している。観測点決定の基準は以下のようになっている。
(1)バイナリコードのビット分散が大きいこと
⇔ ある観測点のペアに注目したとき、特徴点ごとにバイナリコードができるだけばらつくようにピクセルを選ぶこと
(2)バイナリコードのビット間の相関が小さいこと
⇔ ある観測点のペアと別のペアを比較したときに、バイナリコードができるだけ一致しないペアを残すこと
画像がオリエンテーション方向に規格化されるので、上の基準で選択された観測点の並びを見ると、(1)のビット分散の大きいペアだけを選択すると、縦に大きく並んだペアが高い頻度で存在するようになっている。また、(2)のビット間相関が小さいものも含めてペアを選択すると、縦に並んでいるペアがだいたい等間隔になっている、という結果が見られる。